フ家事
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第1 婚約・婚姻・再婚25イ フィリピンでの婚約について他方、相談者の本国であるフィリピンにおいても、内縁に関する明文の規定はフィリピン家族法の中にはありません(フィリピンでは、内縁については単なる事実的な関係にとどまる点については、報告書(2018)6頁〔伊藤弘子、立石直子、望月彬史、遠藤隆幸〕参照)。そして、当該事実的関係である婚姻破棄の賠償の問題は、フィリピンの民法(家族法とは別に規定があります。)中、主に人的関係において賠償義務を規定する同法19条以下等の解釈問題とされています。ウ その他の外国等についてまた、諸外国では、婚約について民法や家族法において規定を設けている国や地域、婚約に法的な効力を与えている国や地域などもあります。例えば、韓国では、民法800条から806条までは婚約に関する規定であり、今回の相談事例のような婚約の解除後の賠償についての明文の定めもあります(LNF編223頁〔望月彬史〕)。ですから、婚約や婚姻前の合意については、各国・地域で法制度の有無も異なることは注意が必要であり、当事者の認識も日本人のいう「婚約」を前提として認識している場合以外にも、母国の制度を前提として認識している可能性があることに注意が必要です。イ 事例が国際的な要素を含んでいること当事者全員が日本人であればすべて日本の法律(民法など)で判断されることになります。しかしながら、この相談では、相談者がフィリピン人(国籍)であることから、法律関係に国際的な要素を含みます。そこで、第1章で述べたとおり、国際私法のルールである「法の適用に関する通則法」(以下「通則法」という。)に基づき、適用されるべき日本又はその他の国や地域いずれかの法、つまり、準拠法を決定し、慰謝料が認められるかが判断されることになります。日本では、既に述べたとおり婚約について明文での規定を設けていませんが、一般的には「婚約」とは、将来婚姻をしようという当事者の予約をいうとされています(新版注釈民法(21)279頁〔大原長和〕)。また、婚約は、当事者が将来夫婦となる合意をもって成立するとされていま2│ 婚約の問題について⑴ はじめに(日本における日本人同士の婚約及び婚約破棄)ア 婚約の成立

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