26(婚約の破棄)については、以下の点を決めることになります。性質決定)す。ですから、婚姻前の各地域の慣習や、結納、指輪の交換等や親族間の儀礼などは、あくまでもその要件である「(当事者の)合意」を裏付ける事情で、そのような儀式や慣習等を実際に行わなければ婚約が成立しないわけではありません。イ 婚約の破棄日本法では、当事者の一方が婚約を不当に破棄した場合には、他方の婚約当事者は、この成立した婚約関係を前提に、①不当に侵害し破棄させた第三者には、不法行為による損害賠償責任を追及し、また、②婚約を不当に破棄した一方の婚約当事者に対しては婚姻の予約の不履行(債務不履行等)に基づく損害賠償責任を追及することになります。仮にこの相談事例に日本法が適用されるのであれば、②の法的責任が関連することになります(また、②においても、不法行為の性質を有するという見解もあります。)。⑵ 国際的な要素を含む婚約及び婚約破棄ア 国際私法の適用について上記⑴と異なり、当事者等に国際的な要素を含む場合には、まず、この事例ア 日本の国際私法上、どのような法律関係として扱われるか(法律関係のイ アを前提に、日本の国際私法に基づき、実際にある問題に適用される国や地域の法(準拠法)は、どこの国・地域なのかウ イで定まった準拠法は、慰謝料の請求を認めるのか、認めるとして賠償額はどうなるのか国際私法による渉外的私法関係の解決について一般的な問題は、第1章2を参照してください。ここでは、婚約が問題となる場合として、以下、順に述べたいと思います。イ 法律関係の性質決定(上記アア)について日本の国際私法について定める通則法は、日本の民法が婚約の規定を置いていないのと同様に、「婚約」という法律問題ついての準拠法を決定するための条文を置いていません。したがって、「婚約」についてもそれがない以上、「婚約の破棄」という法律問題についての条文もありません。そこで、この「婚約の破棄」という問題について、どのような法律関係であると考えるのか、つまり通則法上何条の法律問題に該当するのか(また、各条
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