フ家事
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第1 婚約・婚姻・再婚27文に該当しないような法律関係なのか)という点が問題となります。この問題点、すなわち婚約の成立やその効力という法律関係については、通則法24条に定める「婚姻」に準じるものとして、婚姻同様同条(1項)により、準拠法を決定すると解されています(注釈国際私法⑴8-9頁〔西谷祐子〕参照)。ウ 準拠法はどう決まるのか(上記アイについて)通則法24条に基づき、婚約の両当事者の本国法を適用する場合には、まず、各当事者の本国法を決定することになります。本国法は、原則として当事者の国籍がある国の法とされますが、重国籍の場合には別途1つの本国法に決定する必要があります(通則法38条2項以下、この点は第1章10頁を参照してください。)。エ 実際の準拠法の適用(上記アウについて)仮に、当事者が同じ国籍であれば、本国法も同一であり、これが準拠法とされ、当該本国法に基づき、賠償責任の有無等が判断されます。では、当事者が異なる本国法の場合、それぞれの本国法をどのように適用するかという点が問題となります。⑶ この事例の相談者の場合はどうなるかア 準拠法の決定この事例の場合には、相談者がフィリピン人、相手の男性が日本人です。まず、上記多数説である通則法24条1項による場合には、それぞれの本国法は、フィリピン法(相談者)と日本法(相手の男性)となり、これらの各国の法をそれぞれ適用することになります。なお、通則法24条1項において「本国法」が準拠法とされる場合に、本国とされるある国の国際私法ではこの問題について「日本法とする」というルールがあるとすれば、それも考慮した上で、本国法ではなく日本法を適用する場合が生じ得ます(これを「反致」といいます。通則法41条)。しかしながら、当事者の身分(婚姻等)や能力に関する問題については、フィリピンの国際私法は、「家族の権利義務又は人の身分、要件及び能力に関する法は、フィリピン市民を拘束するものとする。この者が外国に居住する場合も同様である。」としていることから、フィリピン法が本国法とする場合には、当事者の本国法を適用するものとしています(比民15条)。つまり、反致は成立しないものと考えられます(報告書(2018)17頁)。したがって、この相談では、フィリピン法、日本法が適用されることになります。

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