フ家事
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ii当事者や支援団体が弁護士に依頼する前に、様々な法律問題を俯瞰していただけると思います。「法」は生きています。どの国でも法律の制定や改正は頻繁に行われ、外国での状況は分かりにくいものです。インターネットで検索して、ある法律の翻訳が見つかったとしても、それが自分の関わっている事件に適用されるべき法律なのか、効力を有する条文なのか、その翻訳が正しいのかを常に確かめる必要があります。手続上の規則や運用は、通達等によって法律以上に頻繁な見直しがありますから、フィリピンの在外公館や関係機関に必ず最新状況を確認していただきたいと思います。本書には、2022年施行の新養子法に関連する新しい情報を条文抄訳とともに掲載できました。共著者の望月彬史氏と青木有加氏には、私の不甲斐なさから非常にご負担をおかけしましたが、実務家としての視点や知識・技術がこの本には必須で、お二人の尽力あっての書籍と感謝しています。研究会事務局の大川謙蔵氏(摂南大学)にも、条文抄訳でのご協力に御礼申し上げます。最後に、日本加除出版株式会社の皆様、とりわけ真壁耕作氏と増田淳子氏、そして今はご自分の新しい世界を切り拓いておられる髙山康之氏に、心からの感謝を申し上げたいと思います。真壁氏には、長年アジア法研究への熱いエールをいただいてきました。研究会発足時に『戸籍時報』編集長だった髙山氏の支援があったからこそ研究会の活動は拡がり、今に繋がっています。そして、増田氏には、私の無責任な思いつきをこのような形にするため、叱咤激励し続けていただきました。彼女の企画力と忍耐力に接して、編集者とはこのような人達なのかと想う毎日です。  2022年11月執筆者を代表して    外国法制研究会代表  伊藤 弘子  

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