Tea Time 1国私立学校の教員には給特法は適用されず、他の民間企業の労働者と同じく、労働基準法が適用されます。したがって、本来であれば、労働基準法36条により、労使間で三六協定を締結した上で、残業に対しては残業代を支払わなければなりません。また、残業を命じることができる業務ついても、超勤4項目に限定される公立と異なって、 あらゆる業務について残業を命ずることができます。しかし、実際には多くの国私立学校で、公立学校と同様に、教員に対して教職調整額を導入し、残業時間に見合う残業代を支払っていない給与体系が導入されています。このような給与体系については、教職調整額を「固定残業代」(みなし残業代)として法的に評価することも可能ですが、ほとんどの学校で実際の残業時間に見合うだけの「固定残業代」(みなし残業代)になっておらず、三六協定も締結していない場合も少なくありません。したがって、このような給与体系は、形式的には労働基準法に違反する違法な給与体系です。もっとも、このような違法な給与体系が国私立学校の多くで導入された背景には、公立学校に適用される給特法の存在があるからでしょう。すなわち、国私立学校にとって、公立学校は市場における強大な競争者です。民間企業にとって同じ市場に公的組織が競争者として存在することは、経営上極めて重大な事項です。その公立学校が、超勤4項目のみならず、部活動や補習などの業務に事実上残業代を支払わない給与体系を運用している状況は、国私立学校が膨大な人件費をかけて部活動や補習などの業務を行わなければならない一方で、市場での強大な競争者が人件費をかけずに競争的な教育活動を行っていることになり、「民業圧迫」といっても過23Tea Time 1 国私立学校と給特法の関係国私立学校と給特法の関係
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