1 公立学校の教員の時間外労働に関する詳細はQ1を参照のこと。2 さいたま地判令和3年10月1日労判1255号5頁。46もっとも、指針では特例的な扱いとして、「児童生徒等に係る臨時的な特別の事情により業務を行わざるを得ない場合」は、①1年間の在校等時間の総時間から条例等で定められた勤務時間の総時間を減じた時間が、720時間を超えないようにするとともに、1か月の在校等時間の総時間から条例等で定められた勤務時間の総時間を減じた時間が45時間を超える月は、1年間に6か月までとすること、②1か月の在校等時間の総時間から条例等で定められた勤務時間の総時間を減じた時間が100時間未満であるとともに、連続する複数月(2か月、3か月、4か月、5か月、6か月)のそれぞれの期間について、各月の在校等時間の総時間から条例等で定められた各月の勤務時間の総時間を減じた時間の1か月当たりの平均が、80時間を超えないようにすること、という条件の下で、時間外在校等時間の上限の緩和が認められています。緊急性の高いいじめ対応は特例的な扱いに該当する場合だと考えられますので、勤務時間外のいじめ対応を命じやすいといえますが、いずれにしても、勤務時間外のいじめ対応は指針で定める在校等時間の上限を勘案して命じることが大切です。なお、最近、教員の自律的な判断による自主的、自発的な業務は、上司の指揮命令に基づいて行われる業務とは性質を異にするものであるとした上で、自主的な業務の体裁を取りながら、校長の職務命令と同視できるほど当該職員の自由意思を強く拘束するような形態での時間外勤務等がなされた場合には、実質的に職務命令に基づくものと評価すべきであるとした裁判例2もあり、学校現場における時間外労働の考え方が講論されています。第1章 教員の労働時間
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