学労
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112いるのです。教員も一公務員(一労働者)ですし、勤務時間が定められており、休日や有休休暇があることをご理解いただきたい。」と説くのも一つの手です。これまでも教員・弁護士として30年来、学校現場に一定のかかわりを持ってきた筆者の実感としては、何より家族を大事にする保護者、家族を大切にする子どもが増えてきており、徐々にですが、時間をかけて、このような正論がより受け止められやすい社会になってきていることも事実だと思います。近年、自身の子どもの入学式に出席するために職務としての入学式を欠席することの是非が論じられましたが、このような議論が俎上に載る時代になってきているのです。また、社会全体の動きとして、学校の働き方改革を踏まえた部活動改革が問題となっている現在、教員が休日に教科指導を行わないことと同様に、休日に部活動に携わる必要がない環境の構築のために、部活動の時間を制限したり、段階的に地域に移行する取り組みが始まっていると伝えていただくことも効果的なのではないでしょうか。文科省やスポーツ庁のホームページには、顧問の長時間労働の問題の顕在化や少子化の進展の中、特に運動部の部活動の在り方に関して、抜本的な改革に取り組む必要があると考えていることが示され、様々な文書がアップされています。これらの資料は適宜更新されていますので、教員としても新しい動きを常に確認していくことが大切です。全ての子どもたちのために全ての学校で様々なスポーツや文化活動を重んずる風潮は、日本では、独自に歴史的に形作られたもので、日本の教育の特徴でもあります。その歴史の中から、教員は土日に指導しても当たり前という風潮が広まってきたわけですが、その改革は既に始まっています。第2章 部活動の労働問題

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