ア開発
20/62

1 影島広泰『法律家・法務担当者のためのIT技術用語辞典[第2版]』(商事法務、2021)151頁では、「小さな機能を短い期間で開発する作業を繰り返してシステムを開発すること」とされている。2 アジャイルソフトウェア開発宣言 https://agilemanifesto.org/iso/ja/manifesto.html3 アジャイル宣言の背後にある原則 https://agilemanifesto.org/iso/ja/principles.html第1章 アジャイル開発の紹介1 アジャイル開発とは アジャイル開発とは何か、という問いに答えるのは実は難しい。「アジャイルソフトウェア開発宣言」(後掲コラム参照)を基礎とする概念であることは確かであるが、必ずしも明確な定義はなく、論者により、「より良い開発の在り方を見つけ出そうとする態度」というように開発者のスタンスに着目した定義がなされることもあれば、「反復を重ねながら要求の変化に対応する開発手法」というように開発手法に着目した定義がなされることもある。 本書ではひとまず、その目的に着目して、「ユーザにとって真に価値のあるプロダクトを開発することを目的として、小さな機能を短い時間で開発する作業を繰り返す開発手法」としておきたい1。2 アジャイル開発という概念は、従来の計画的なソフトウェア開発手法と一線を画す新たな手法を提唱していた17人のソフトウェア開発者が集まり、2001年に取りまとめたアジャイルソフトウェア開発宣言2という文書に端を発するといわれる。 この宣言は、4つの価値の比較について述べたシンプルなものであるが、それまでのソフトウェア開発の在り方を問い直すものである。この価値観と、その背後にある12の原則3を基礎として、より良いソフトウェア開発のための様々な手法が生み出され、進化を続けている。なお、同宣言と12の原則については、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が「アコラム第1 アジャイル開発の概要アジャイルソフトウェア開発宣言

元のページ  ../index.html#20

このブックを見る