1 相続法上の手続と相続税法上の手続 国際的な性質を持たない純粋な国内相続でも,家族が亡くなると,葬儀や法要,各種公的機関への届出など,遺族には悲しみに暮れる時間もないほど忙しい日々が待ち受けています。また,相続開始を知った日から4か月以内に,被相続人の確定申告(準確定申告)も必要となります。第1 国際相続はなぜ複雑なのかQuestion 近年では,相続もグローバル化し,たとえば外国に遺産がある,相続人が外国にいる,被相続人は外国在住だが日本にも多くの財産を残している,相続人や被相続人が外国籍であるなど,国際的な対応が必要な案件が増えています。国際的な相続はどうして複雑になるのか,また対応のポイントについて教えてください。 純粋な国内相続でも,十分な時間がないなか,相続手続に加えて,所得税の準確定申告や相続税の申告・納付が必要となり大変です。ところが国際相続では,外国での相続手続や,所得税や相続税・遺産税の申告・納付,さらに日本と外国の手続の調整も必要になるなど,一筋縄では解決しないことも多くあります。全てを円滑に調整するためには,日本と外国の相続手続と相続税務,そして国際私法の理解が必要です。1Q 01 どうして国際相続は複雑になるのか01どうして国際相続は複雑になるのか
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