Q遺分
33/46

す(家事規則8条2項)。項)。望するのかについても回答をしてもらっています。調停が不成立になった場合のことも考慮して,相続開始地,すなわち,被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所(上記の例では東京家庭裁判所)に審判事件の管轄があり,遺産である不動産が所在することも多いため(鑑定実施を含め,評価の確定において有益であるということです。),自庁処理とすることが多いといえるでしょう。4 他庁で調停を行う場合(移送)⑴ 移送とは,申立人が管轄のない家庭裁判所に申立てをした場合に,申立てにより又は職権で管轄のある家庭裁判所に移送することをいいます(家事法9条1項本文)。ただし,自庁処理することがあり得るのは,前項で述べたとおりです。相手方が複数いて,そのうち1名の住所地を管轄する裁判所に調停が申し立てられた場合,この申立ては適法なものですが,当該裁判所は,手続が遅滞することを避けるため必要があると認めるとき,その他相当と認めるとき,又は,事件を処理するために特に必要があると認めるときは,職権で他の裁判所に移送することができます(家事法9条2項)。家庭裁判所は移送の裁判をするとき,通常,当事者に意見を聴いていま移送の裁判に対しては,即時抗告をすることができます(家事法9条3⑵ 相手方が複数いる場合,相手方の1人の住所地を管轄する家庭裁判所に調停を申し立てることはできますが,他の相手方の住所地を管轄する家庭裁判所で調停を行うことが適切な場合もあります。例えば,相手方のうち1名が,東京又はその近隣の県以外,しかも,容易には東京家庭裁判所に来られないような地域に住んでおり,当該相手方が居住している不動産等が分割対象の主要な遺産であり,事前の協議でその評価や分割方法で一致しなかったなどの事情があるときには,鑑定実施の要否等も含め,当該相手方の住所地を管轄する家庭裁判所で調停を行うことが相当と認められる場合もあります。このような場合には,職権で事件全体について移送Q3 調停・審判の申立て9

元のページ  ../index.html#33

このブックを見る