令遺言
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1遺言することの目的111111 おそらく誰もが,自身の相続によって相続人(家族)が争いになることを おそらく誰もが,自身の相続によって相続人(家族)が争いになることを望んでいないと思います。望んでいないと思います。 自身の遺産をめぐる紛争を最小限にする一つの方法として,遺言の作成が 自身の遺産をめぐる紛争を最小限にする一つの方法として,遺言の作成があります。遺言は,遺言者が自分の意思により,財産の「次の帰属(取得)あります。遺言は,遺言者が自分の意思により,財産の「次の帰属(取得)先を決める」というものです。先を決める」というものです。 遺言を作成するかどうかの判断に当たっては,まず法定相続ではどのよう 遺言を作成するかどうかの判断に当たっては,まず法定相続ではどのようになるかを考えましょう。もし,法定相続を変えたいのであれば,誰にどのになるかを考えましょう。もし,法定相続を変えたいのであれば,誰にどのように財産を譲り(与え)たいかという希望を明確にし,それを実現するたように財産を譲り(与え)たいかという希望を明確にし,それを実現するための内容を検討する必要があります。めの内容を検討する必要があります。 以下,遺言作成の意義と,作成上の留意点をご紹介しましょう。 以下,遺言作成の意義と,作成上の留意点をご紹介しましょう。フローチャート1序章 フローチャートでわかる遺言作成のポイント基礎編─遺言を作成するに当たっての留意点遺言と法定相続・遺産分割手続 被相続人(亡くなった人)が遺言を残していない場合は,法定相続となり,法律(民法)により定められた相続人間で遺産分割協議が必要となります。相続人と抽象的な相続分は法律で定められても,具体的に財産をどう分けるかということは相続人間の協議に委ねられます。 協議がまとまらないと家庭裁判所に遺産分割の調停を申し立てて,その手続の中で解決することになります。調停でも合意できない場合には,審判により分割方法を決めることになります。 遺言相続と法定相続の関係を説明したものが         になります。二次紛争の防止─子どものいる家庭の相続の場合 子が二人以上いる家族の相続において,父又は母が先に死亡した(一次相続)時は,子らと残った父又は母が相続をするので,子からは後の二次相続で相続すれば良いとして異論が出ることは少なく,遺産分割協議がまとまることが多いと思われます。

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