4遺言作成方法の選択と執行までの流れ44444444 遺言の作成方式として,多く用いられるのは自筆証書と公正証書がありますが,その効力は同じです。しかし,紛失や偽造などのリスクを考えると,多少費用はかかっても公正証書で作成する方が安心であるといえます。それ以外にも,秘密証書という方式もありますが,利用数は多くありません。 自筆の遺言を法務局に保管すると,紛失したり,要件不備によって無効となることを相当程度防ぐことができます。費用も3900円ですし,相続開始後の検認手続も不要ですから,費用や相続人らの手間を省けます(遺言の検索や遺言書情報証明書の入手もできます)。 なお,遺言者自身で法務局まで出向く必要があること(自宅や病院,施設などに出張しての保管はしてもらえません),自動車運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きの公的身分証明書が必要となること(印鑑登録証明書と実印の持参では作成できません)といった利用上の制約がありますので注意が必要です。 また,公正証書での作成と異なり,法務局では内容面のアドバイスを受けられませんので,内容は自身で考えるか,専門家に相談するなどして自己責任で決める必要があります。 一方で,公正証書遺言は,財産の種類が多かったり,相続間に感情的な対立があり紛争が予測されること,また,第三者への寄付(遺贈)や遺産の分配方法が複雑な場合などに有用です。公証人からの内容面のアドバイスが受けられるメリットもあります。 次の では,遺言の作成方式から具体的な遺言執行までの流れを示しています。それぞれの遺言作成方式のメリット・デメリットを検討した上で,作成・保管してください。16 基礎編─遺言を作成するに当たっての留意点フローチャート4
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