1「相続させる」という遺言─「相続させる」は遺言の決まり文句?1111112「全部相続させる」遺言は「相続分を指定する」意味になる222222223全部相続させる遺言と遺留分の問題33333333第1 夫婦間の遺言 夫が妻に財産を相続させたいと希望する場合に,どのような内容の遺言を作成したらよいでしょうか。 これは,後記の文例のように, 「遺言者(夫)は,遺言者の有する全ての財産を遺言者の妻に相続させる」と記載することが一般的です。 遺言では,(財産を誰々に)「相続させる」という表現を用います。相続人から見ると「相続する」ことになりますが,被相続人(亡くなる人)から見ると,自身の持つ財産などを相続人に「相続させる」という使役的な表現となります。 冒頭に文例として挙げた「全ての財産を妻に相続させる」という遺言は,特定財産承継遺言ではなく,「相続分の指定」として扱われますので,妻が全部(100%)を相続し,他の相続人が相続する財産はゼロという分割方法となります。先に亡くなる夫又は妻が,生存配偶者に対して「全ての財産を譲りた先に亡くなる夫又は妻が,生存配偶者に対して「全ての財産を譲りたい(与えたい)」というのは,子どもがいる・いないに関わらず多くい(与えたい)」というのは,子どもがいる・いないに関わらず多く見られる希望です。見られる希望です。case1 配偶者に全財産を相続させる遺言 23遺留分侵害 遺言者が,遺言で全部相続させる遺言をした場合,相続人の一人が全ての遺産を取得しますので,遺留分権利者の遺留分を侵害しているので,侵害された者(遺留分権利者)は相続分を超えて相続した者に対して遺解 説
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