令遺言
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ひと言アドバンスひと言アドバンス留分侵・・・害額請求を行うことができます(民法1046条1項)。「遺留分侵害額請求」 平成30年民法改正以前には「遺留分減げん殺さい請求」と呼ばれていましたが,法的効果が金銭請求に改正されたことに伴い,名称も「遺留分侵害額請求」と変更されました。「特定財産承継遺言」 平成30年の民法改正では,遺産の分割の方法の指定として,特定の財産を共同相続人の一人又は数人に承継させる旨の遺言について,「特定財産承継遺言」と定義づけをしました(民法1014条2項)。そのため,例えば「○○の土地及び建物を相続させる」「○○銀行○○支店の普通預金を相続させる」という文言を遺言に記載しておくと,「遺贈」とはみずに,遺産分割方法の指定としての意味が与えられます。遺贈と特定財産承継遺言との違いは,遺贈であれば個別にそれを受け取る(承認),受け取らない(放棄)の判断(選択)ができますが(民法986条1項),特定財産承継遺言ですと,その受け取りを拒否するためには,相続放棄の手続を取る必要があります(民法915条,938条)。24  第1 夫婦間での遺言を検討する──配偶者への配慮遺留分を視野に入れた遺言の作成 遺言で相続分が決められていても(100%相続の場合),遺留分侵害額請求がなされると,相続後に相続人間で新たな紛争が生じることになります。 相続人同士の紛争予防のために,遺言で相続分を決めるときに遺留分の配慮が必要になると予測される場合には,遺留分額の見込みを立てて,各相続人に対し,遺贈をしたり,特定財産承継遺言をすることにより遺留分に相当する財産を取得させることを検討する必要があるでしょう。

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