令遺言
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はしがき  i 本書は,「令和版 実践遺言作成ガイド」というタイトルのとおり,令和の時代の中でも多様化した家族形態や,ライフスタイルに合わせた遺言の作り方や考え方についてわかりやすく「ガイドする」ことを目的に執筆しました。 本書の特徴として,次の点が挙げられます。 第1に,家族構成や目的別に33のケースを作成し,特に配偶者を含むパートナーや子どもの存在を起点に,それぞれ留意すべき様々な考え方を示し,また,お墓,祭祀承継,ペットや寄付(遺贈)など,遺言者の状況に応じた財産承継や終活に関する方法も検討しています。 そして,「子どものいない夫婦間の交差型(たすき掛け)遺言」「事実婚パートナー」「おひとりさま」「熟年離婚」「ステップファミリー」「同性パートナー」など,現在の関心が高い多様な内容を取り上げ,それぞれ文例を掲載しています。 第2に,基礎編においては,フローチャートを用いることで,遺言作成のために準備すべき事項や遺言と遺産分割の基本的な仕組みをわかりやすく示しています。 そして,遺言作成に当たっての思考の道筋を示すため,遺言作成に当たって検討すべき内容を時系列で示し,また,相続人や第三者への財産承継(だれに,何を,どれだけ)の方法を検討しています。 他方で,典型的な遺言書の作成ルールの内容説明については簡略化し,現代的な論点の解説に力点を置いています。 第3に,各ケースを,「プロローグ」「会話編」「解説」「文例」「失敗しないためのポイント」「エピローグ」の順で説明を試み,会話の導入部分をきっかけとして,各項目を読み進めることで問題の所在やその解決のための手法を紹介しています。 また,各所に用語解説や関連する項目などの説明を加えた「ひと言アドバンス」,最近の時事や法改正,リア王やカエサルのエピソードなどをテーマとした「コラム」も掲載しています。はしがき

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