令遺言
31/56

第1 夫婦間の遺言■ 法定相続では他に相続人が一人もいない場合でない限り,配偶者に財産の全てを承継させることはできないので,配偶者に全財産を取得させたいのであれば遺言の作成が必要です。■ 付言事項には法的な効力はないと考えられていますが,付言の中で,妻(又は夫)が死亡する二次相続において,一括して清算して欲しいとする意思(希望内容)を記載しておくと,遺言者の夫(又は妻)の意思をはっきりさせることができます。【文例4】 配偶者に全財産を相続させる例第○条 遺言者(鈴木清)は,遺言者がその相続開始の時に所有する全財産を遺言者の妻鈴木花子(昭和○年○月○日生)に相続させる。ポイントポイント       遺言を作成するにあたっては,遺産総額,相続人同士の関係,epilogueepilogue遺留分権利者がいるかどうか,また,遺留分権利者がいるとして遺留分侵害額請求をするかどうかの予測,そして死後に遺産紛争が起きる可能性があるか否か等の事情を考慮して,遺言の内容を決めることになります。遺言者が遺言の中で妻に対し全財産を取得させる理由も記載しておけば,子どもたちを含めて相続人の多くは遺言者の意思を尊重することになると思われます。case1 配偶者に全財産を相続させる遺言  27文例─妻あるいは夫に全財産相続させる遺言失敗しないための失敗しないための

元のページ  ../index.html#31

このブックを見る