令遺言
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第3 おひとりさまの遺言を検討する総 論 おひとりさまと終活総 論総 論 おひとりさまと終活 おひとりさまと終活        頼れる家族や親族がいない,または親族がいても何年も連絡prologueprologueを取っていない,関係が疎遠である,もしくは頼りたくないと考える人は少なくありません。 いわゆる「おひとりさま」には,老後のこと,病気など,もしものことを想定し,近親者や他人の好意に頼らず生活を維持することに腐心している人もいます。 本ケースでは,「おひとりさま」の置かれている状況を理解した上で,遺言を作成するに当たってどのようなことを検討したら良いかということを考えてみることにします。最近,「終活」や「おひとりさま」が特集されているね。「おひとりさま」とは,一般的には一人で暮らしている人を意味するけど,僕なんかは(本書でも)相続人がいない人,相続人はいるけれど疎遠で頼れる人がいない人を含むものと考えているよ。親・配偶者・子どもがいない場合はすべて遺産の処分について自分で決めることができ,遺留分に配慮する必要もないんだよ。疎遠となってしまった子どもや配偶者がいるときにはどうなるの?そのような場合には遺留分を有する相続人がいるので,おひとりさまが財産全部を第三者に遺贈するという遺言を書いてしまうと,後で遺留分を巡るトラブルになるかもしれないね。おひとりさまとしては,遺言以外にどのようなことを考えておかなければならないの?遺産をどうするか以外にも,住んでいる住居,葬儀・埋葬,遺産整理,遺贈(寄付),デジタル遺産,ペットの世話など様々にあるよ。ハナコとたけしの会話─終活とおひとりさま

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