令遺言
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3死後事務委任契約の締結33333333はなりません。したがって,死後事務委任契約を締結する意味があります。 推定相続人がいない場合などには,死後事務を行うことになる人がいないため,本人として生前にこれらの死後事務を他人に依頼するというのが「死後事務委任契約」といわれるものです。192  第12 生前契約を検討する死後の事務処理を他人に依頼できるのか 委任者の死亡後の事務処理を依頼する旨の委任契約は,委任者の死亡によっても当然に同契約を終了させない旨の合意を包含する趣旨であると解されています。そのため,民法653条1号の「委任者の死亡」は適用されないと解釈されます。 もっとも,契約内容に不明確性や実現困難性があったり,履行負担が加重な場合など契約を履行させることが不合理と認められる特段の事由があれば,契約は終了することになります。死後事務委任契約の場面 死後事務委任契約は,遺言外の手段によるものとなります,生前の任意後見契約と一緒に締結されることが多く,葬儀,埋葬,永代供養,墓じまい,家じまい,ペットの世話等における事務の依頼は,遺言の付言において希望される場合もありますが,遺言外の生前の死後事務委任契約をとることで実現されることになります。

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