Q&A 実務家のためのYouTube法務の手引き
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1 YouTuberという職業2 YouTubeで収益を得る構造2序章  YouTuberやVTuberが「職業」,「事業」であるということについて,具体的なイメージを持つことが難しい,という方も多いと思われます。確かにトップの層は「高所得者」になれても,ほぼ全ての人にとってYouTuberやVTuberは「趣味」以上のものではなく,また,トップの層も「豊かな個人事業主」にすぎないのではないか,といったイメージの問題です。 YouTuberやVTuberにとって,その活動を「職業」にすることには,一定のハードルがあります。ただ,そのハードルは,おそらく想像するよりも低く,例えば今この瞬間はまだ「趣味」として活動を行っているYouTuberやVTuberが,半年後にそれを「職業」にしている可能性は,十分にあります。具体的な数字で,以下,説明を行います。 YouTubeには,自分が投稿した動画のリストをまとめる「チャンネル」というものがあり,誰でも自由に無料でYouTube内に「チャンネル」を作成することができ,その中に動画をアップロードし,公開する,といった形になっています。 このチャンネルを自分のGoogleアカウントにログインした状態で登録しておくことをチャンネル登録といいますが,新しい動画が公開された場合にその動画を見たいと思った視聴者は,その「チャンネル」を「登録」という形で視聴することができます。詳細はQ17で後述しますが,原則的にその登録者が1000人を超えると,「収益化」が認められ,動画内には自動で広告が配信されるようになります。そして,当該チャンネルを運営するYouTuberやVTuberは,「広告収入」を得ることができるようになります。 「広告収入」の計算方法は,基本的にブラックボックスです。YouTube運営者が自動で当該動画にマッチした広告動画を流し,その広告動画の配信から収益を得て,収益の一部をチャンネル運営者であるYouTuberやVTuberに分配するのですが,その具体的な計算式は公開されていません。

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