Q&A 実務家のためのYouTube法務の手引き
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3序章  ただ,一般的に,動画が1回再生されることによる広告収入は,0.05~0.1円,チャンネル登録者数が増えるに従って単価がアップし,トップYouTuberの場合は1回あたり0.25~0.3円程度だといわれています。 現在,国内で,登録者数が100万人を超えるチャンネルは約500個,20万人を超えるチャンネルは約3500個存在します。 そして,これはチャンネルの性質によって幅が大きいのですが,平均的には,あるチャンネル内で1個の動画が新たに公開された場合,その動画は,チャンネル登録者数の半分~1倍程度は,再生されます。その数は「チャンネル登録を行っている人による再生数」と,「まだチャンネル登録を行っておらず,キーワード検索等の手段で当該動画を発見する人による再生数」の合計です。20万人が登録しているチャンネルの動画であれば,10~20万回程度は再生され,その広告収入は,上記より計算すると,5000円から2万円程度になる,ということです。したがって,1か月に20本,新しい動画を公開すれば,月収は20~30万円程度になるケースが多いといえます。一人の人間が生活できる,「職業」ともいえる金額でしょう。 なお,広告収入の,例えば「0.05~0.1円」といった幅の意味ですが,これは「当該動画を見ている人に広告を流すことの収益性」といった問題によるものです。例えば,同じように1万人が見ている動画であっても,小学生1万人が見ている動画の場合,そもそも小学生に何を宣伝するのか,という問題があり,広告収入は相対的に低くなりますし,「美容に興味のある20代女性1万人が見ている動画」のように,広告主の観点から見てセグメントが切れている動画の場合,広告収入は相対的に大きくなります。 つまり,少なくとも,上記のような意味で「セグメント」を意識しているようなチャンネルの場合,チャンネル登録者数が20万人になれば,毎日動画を投稿することで,広告収入は60万円程度となります。これは,「職業」と呼ぶには十分な金額でしょう。そして,その程度のチャンネル登録者数を確保しているチャンネルは,既に約3500個存在する,ということです。

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