Q&A 実務家のためのYouTube法務の手引き
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3 企業案件⑴ 商品の宣伝4序章  また,チャンネル登録者数が増えてくると,いわゆる「企業案件」の依頼がくるようになります。これは,特定の企業等が,特定のYouTuberやVTuberに対して,自社商品などの宣伝を依頼する,というものです。例えば,美容に興味のある20代女性に対して美容関連の動画を配信している,いわゆる美容系のYouTuberに対して,化粧品やサプリメントを販売している会社が,自社商品の宣伝を依頼する,グルメ系の動画を配信しているYouTuberに対して,飲食店が自分の店のレビュー動画の配信を依頼する,といった形です。 企業側の目線からすれば,「動画が10万回再生される」ということの宣伝効果は,なかなか高いものといえます。例えば美容系を例にしますが,美容系YouTuberに自社商品を宣伝してもらい,その動画が10万回再生されるということは,美容に関心のある人10万人に,自社商品に関する情報が伝わるということです。 例えば現在,毎月10万部発行されている女性向け雑誌は何種類あるのか。その雑誌に広告を掲載したとして,購入者の何割がそのページを読んでくれるのか。また,読んでくれるとしても,何分間読んでくれるのか……ということを考えていただければ,「動画が10万回再生される」ということの宣伝効果の高さは,明確だと思います。 YouTubeの場合,動画の再生数は公開されていますし,その数は,間違いなく当該動画が閲覧された回数です。 「10万回再生される動画で自社商品を宣伝してもらうための費用」は,企業側の目線からすれば,「10万部が発行されている雑誌で自社商品を宣伝してもらうための費用」と比較されるべきものとなり,相応の金額となります。 こうした「宣伝効果」の高さは,企業側もYouTuber側も,既に十分に理解している事柄であり,美容系など,広告媒体としての価値が高いチャンネルの場合,チャンネル登録者数10万人程度であっても,「企業案件」の報酬は50~100万円を超えることもあります。

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