Q&A 実務家のためのYouTube法務の手引き
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1 YouTubeのプライバシーガイドライン ①YouTubeは,プライバシー侵害の動画について,法律よりも広い範囲を規制する可能性を示しており,動画を削除する基準が公表されています。プライバシー侵害であるとされれば,動画は削除されます。②プライバシーを侵害されたと主張する人から,プライバシー侵害を理由として,不法行為に基づく損害賠償を請求される可能性があります。152 YouTubeでのプライバシー侵害に該当する動画の法的責任 プライバシーとは,私生活上の事柄をみだりに公開されない法的な保障と権利のことをいいます。他人のプライバシーは普段あまり公開されることがないので,プライバシーに関する動画は再生数が伸びるケースもありますが,様々な問題が生じることとなります。 YouTubeでは,プライバシー侵害の動画については,厳しく対応する方針をとっており,「YouTubeプライバシーガイドライン」では,「お住まいの国の法律では問題がない動画でも,YouTubeのプライバシーガイドラインには違反する可能性があります」と,プライバシー侵害の動画について,法律よりも広い範囲を規制する可能性を示しており,YouTubeがプライバシー侵害として動画を削除する基準が公表されています。 また,「コンテンツが削除の対象として考慮されるためには,そのコンテンツによって個人をはっきりと特定できる必要があります。さらに,その当事者もしくは法定代理人から提出された申し立てにおいて,顔写真,音声,フルネーム,政府発行の個人番号,銀行口座番号,連絡先情報(例:自宅の住所,メールアドレス)など,個人を一意に特定できるコンテンツは削除の対象となります。また,プライバシー違反として削除の判断をする際には,公共性や報道価値なども考慮されます。YouTubeは,プライバシー・ガイドラインの違反が発生したかどうかの最終決定を行う権利を有します」とあります。「一意に特定できる」とは,「他人が個人を特定するのに十分な情報が動画に含まれていることを意味します。単に動画に写っている個人が確認でき解 説

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