Q&A 実務家のためのYouTube法務の手引き
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1 著作権⑴ 著作権という制度2 著作隣接権⑵ 著作権の中身355 「歌ってみた」動画と音楽の利用方法著作隣接権,場合によっては著作者人格権があります。 著作権とは,著作物を保護するための権利です。努力して著作物を作っても,他の人にパクられたり,得られるはずの利益を横取りされたりしてしまうなら,努力して著作物を生み出そうとする人がいなくなり,文化は発展しません。そこで,著作者に著作権を与え,文化の発展を支援するために,著作権という制度があります。 著作権法によれば,著作物とは,「思想又は感情を創作的に表現したものであつて,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するもの」(著2条1項1号)であるので,歌ってみた動画で使用される音楽に著作物性が認められることには,問題がありません。 著作権は,申請しなくても,著作物を作った瞬間に多くの権利が与えられます。それらは,①(狭義の)著作権,②著作隣接権,③著作者人格権の3つに分けることができます。 ①の狭い意味での著作権は,「複製権」や「上演権及び演奏権」,「上映権」,「公衆送信権」などのような,財産的な権利です。YouTubeやインターネットへの公開で問題となるのは,「複製権」と「公衆送信権」になります。 著作権には,この他にも作品を多くの人に見せる「展示権」,「頒布権」,「譲渡権」,「貸与権」,「翻訳権」,「翻案権」,「二次的著作物の利用権」などがあります。 著作隣接権とは,著作物を他人に伝達する実演家やレコード製作者などに認められる権利で,実演家には著作物を演奏し又は演奏する「演奏権」(著22条),レコード製作者には著作物を複製する「複製権」(著21条)が認められ

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