Q&A 実務家のためのYouTube法務の手引き
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4 秘密保持に関する条項について5 個人情報の保護に関する条項について第4章 契約・企業に関する問題/第1 契約に関する問題180声のずれなどが生じていたりする等の問題がある場合もあります。そこで,編集をした動画を受託者が納品して終わりとするのではなく,委託者が検査し,受託者に対して検査完了の通知を行った時に,検収が完了したものとする仕組みにしておく必要があります。 そして,委託者による検査の結果,修正や再編集が必要な場合には,委託者が新たな費用を負担しなくても,受託者に修正や再修正を依頼することができるようにしておく必要があります。 委託者が,受託者に動画の編集を依頼する場合には,当然のことながら,元となるデータを渡す必要があります。この元データに関する情報を,動画公開前に第三者に漏らされてしまったり,不正に利用されてしまったりすると,YouTubeチャンネルの運営に支障が生じる可能性があります。また,動画編集の方向性を決める打合せの際に,委託者が受託者に話した情報などが第三者に漏らされてしまう可能性もあります。そこで,秘密保持に関する条項を規定し,秘密の範囲を明確にしておき,委託者の事前の書面による承諾なしには第三者に開示又は漏洩してはならないとする必要があります。 動画の内容によっては,個人情報が含まれている可能性があり,動画編集作業の代行を依頼する過程で,委託者から受託者に個人情報が提供される可能性があります。そこで,受託者によって個人情報が漏洩されたり,また,不正に利用されたりしないように,個人情報の保護に関する条項を規定しておき,「個人情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)2条1項に定める「個人情報」に該当する情報を保護し,業務の目的の範囲においてのみ個人情報を取り扱うこと,安全管理措置を講じること,事故が発生した場合には相手方に対し速やかに報告すること等を定めておく必要があります。

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