アプリ
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Ⅰ 法律・契約の基礎と、アプリ法務の全体像 3とりわけ重要なのは著作権です(著作権について5頁)。著作権は、一定の個性のある表現には自動的に発生している上、そうした表現(データを含みます)をコピーしたり配信したりする行為は、原則として著作権侵害となるためです。いわゆる「パクる」行為にはこうしたリスクがありますし、アプリの開発業務を委託する場合やイラスト・音楽などの制作を委託する場合にも、納品される成果物の著作権その他の権利をどう扱うかは、しっかり契約で定めておく必要があります。権利の内容や範囲を知ることで、無用な権利侵害を防止でき、自らの権利をどう保護し活用するかも見えてきます。アプリでは「特定商取引法に基づく表示」というリンクやページをよく見かけると思います。これは、特定商取引法により、オンラインでサービス提供をする事業者には、消費者に対して一定の事項をあらかじめ表示することが義務付けられているためです(特定商取引法について178頁)。また、「プライバシーポリシー」や「個人情報保護方針」といった名称のものも、よく見かけると思います。これは、個人情報の収集や利用をする事業者は、個人情報保護法に基づき、利用目的を明示したりする必要があるためです(アプリプライバシーポリシーについて133頁)。こうした文書はウェブ上でたくさん他社サンプルを参照できるため、気軽に作ってしまいがちですが、そのように一見簡単に作成できるため実は間違いや不十分な内容も多く、また頻繁に2 知的財産の基礎アプリ事業の運営に際しては、著作権をはじめとする知的財産権その他の権利も意識する必要があります。自らの権利を守ることも大切ですが、それ以上に、他人の権利を侵害しないことが大切です。3 規制の基礎いわゆる規制には様々な分野がありますが、とりわけアプリ事業においては、主に消費者との関係で問題となる規制を押さえておくべきこととなります。当事者間の問題である契約とは異なり、こうした規制への違反は、規制当局からの様々な制裁、果ては刑事罰といった重大な結果を生むことがあり、規制遵守はたいへん重要です。内容をある程度任意に決められる契約とは異なり、規制は法令という形であらかじめ存在していますので、自社事業がどのような法令に抵触し得るか、広い目線を持つ必要があります。

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