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Ⅰデベロッパー向け規約1 デベロッパー向け規約はアプリビジネスの「胴元」ルールスマートフォンアプリを介したアプリサービスと、ブラウザベースで提供されるウェブサービスの大きな違いは、アプリ特有の販売・決済プラットフォームを備えているという点にあります。そして、このことは、アプリ提供者が抱える法的なリスクのあり方にも、大きく影響を及ぼしています。44 第2章 アプリ開発にあたり確認・締結が必要な文書とルールウェブサービスにおいては、ウェブサービス提供者は一般的にユーザーと直接契約を結ぶ関係にあります。これに対し、アプリサービスでは、アプリ提供者とアプリ利用者との契約に、デジタルプラットフォーマー(DPF)が介在します。ここにいうDPFとは、具体的には、Apple・Googleといった、自社で開発するOS(オペレーティングシステム)と一体化したスマートデバイスを開発・販売するとともに、アプリストアを中心とするエコシステム(ビジネス生態系)を提供している事業者であり、いわばアプリビジネスの「胴元」です。DPFは、OSと端末を掌握することによってアプリ提供者とアプリ利用者の間に介在し、「アプリ」を販売するストアを設け、決済を一元化し、アプリ利用者の利便性を高めています。加えて、スマートフォンを所有するアプリ利用者のアカウントと、クレジットカード・通信キャリア課金・プリぺイドカード課金とを紐付けた決済機能を、アプリ提供者とアプリ利用者の双方に提供しています。これにより、それまで敷居の高かったインターネットサービスにおけるユーザーへのコンテンツ課金を、より簡便かつ安全なものにしています。DPFが提供するコンテンツ課金の仕組みを利用するためには、アプリ提供者は、プラットフォーム機能を提供するDPFと契約を結ぶ(デベロッパー向け規約に同意する)必要があります。一方、アプリ利用者も、スマートフォンのOSと決済機能を利用するにあたり、DPFの定める利用規約に同意しています。これによって、アプリ利用者のアカウントと決済ルートは、すべてDPFに掌握され、契約条件に拘束されることとなります。もし、アプリ提供者がDPFとの契約に違反し、DPFから契約を解除されてしまうと、アプリ提供者にとって一番大切なアプリ利用者との決済機能も切断され、それまでアプリから得られた売上が得られなくなってしまいます。アプリ開発にあたり確認・締結が必要な文書とルール2章第

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