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③ アプリに不具合等があった場合は、アプリ提供者がアプリ利用者に対する法的な責任を負うものとし、DPFは責任を負わないことを、デベロッパー向け規約上で強調し表明しています1。また、DPFは、デベロッパー向け規約の下位規定として定めるアプリストア審査ガイドラインにおいて、アプリ提供者が行うアプリのプロモーション、販売、配布等に関する厳格なルール(禁止行為)を定めていることにも注意が必要です。アプリ提供者がこの審査ガイドラインに違反した場合、上位規定であるデベロッパー向け規約の定めにより、アプリの削除・アカウントの停止等のペナルティを課すことが可能となるためです。以下では、AppleとGoogleが定めるデベロッパー向け規約およびアプリストア審査ガイドライン(2022年9月7日現在有効なもの)の条文構造と、その中で特に理解しておくべき重要な規定について解説します。なお、デベロッパー向け規約は、プライバシー保護の要請の高まりや巨大DPFに対する規制強化の流れを受け、近年更新頻度が上昇する傾向にあります。常に最新版を確認するようにしてください。アプリ提供者がApp Storeでアプリを販売するためには、アカウントを取得し、Appleが指定する方法にのっとりアプリを制作し、Appleの審査を通過しなければなりません。このアプリ開発者アカウントを取得するにあたっては、Appleが定める規約を確認の上、これに同意する必要があります。Appleのデベロッパー向け規約の全体構造は、アプリ提供者向けサイト内にある「Appleデベロッパ向けの契約およびガイドライン」のページに全18の文書ファイルが一覧化され、以下1〜3のカテゴリー別に大きく3分類されています。46 第2章 アプリ開発にあたり確認・締結が必要な文書とルール1 岡田淳・中野玲也・古市啓・羽深宏樹編著『プラットフォームビジネスの法務〔第2版〕』(商事法務、2020)48頁は、このようなDPFのスタンスについて言及した上で、①名板貸し責任(商法14条または会社法9条の類推適用)、②不法行為責任、③アプリ利用者との間で適用される利用規約に基づく債務不履行責任がDPFに生じる場合があることを指摘しています。3 Appleデベロッパー向け規約⑴ 規約の全体構造(80頁・81頁、図表2―13参照)

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