第Ⅰアプリビジネスとプライバシーポリシー1 近年厳格化するアプリストアのプライバシー保護スタンス近年、AppleとGoogleは、プライバシー保護に関して厳格な姿勢を示しⅠ アプリビジネスとプライバシーポリシー 1331 Appleの説明によると、トラッキングとは、「自分のAppで収集したユーザーやデバイスに関するデータを、ターゲット広告や広告効果測定を目的として、他社のAppやWebサイト、またはオフラインのプロパティから収集されたユーザーやデバイスに関するデータに紐付ける行為」を指し、ユーザーやデバイスに関するデータをデータブローカーに共有することもトラッキングに該当するとされています(App Store「ユーザーのプライバシーとデータの使用」https://developer.apple.com/jp/app-store/user-privacy-and-data-use/)。続けています。例えばApp Storeでは、2020年12月以降、ユーザーがアプリをダウンロードする前に、アプリが収集するデータの種類や、それらのデータがユーザーと紐付けられているか、ユーザーのトラッキング1に利用されているかを確認できるようになりました(プライバシーラベルの導入)。これに伴い、アプリ提供者は、新規アプリや既存アプリのアップデートを提出するにあたって、これらの情報をApp Store Connectで提示する必要があり、広告やアナリティクスのSDK(Software Development Kit)など、サードパーティのコードを使用している場合は、そのサードパーティのコードが収集するデータの種類やその使用方法、そのデータによるユーザーのトラッキングの有無を説明する必要があります。また2021年4月にリリースされたiOS 14.5以降では、ユーザーをトラッキングしたり、ユーザーデバイスの広告識別子(IDFA)にアクセスしたりする際は、「App Tracking Transparency:ATT」と呼ばれるフレームワークを通じてユーザーから事前に許可を得る必要があるなど、ユーザーデータの取扱いが厳格化されています。Google Playストアにおいても、2022年春、「データセーフティセクション」の表示を開始し、ユーザーは、アプリがデータを収集しているかどうかや、データ収集の目的などを知ることができるようになりました。これに伴い、すべてのアプリ提供者は、アプリでユーザーデータをどのように収集、処理するかを申告し、そのデータを暗号化などのセキュリティ保護対策にアプリプライバシーポリシー4章
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