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まえがき i本書は、2015年に刊行された『アプリ法務ハンドブック』(レクシスネクシス・ジャパン)のコンセプトを引き継ぎ、現代のアプリ法務にとって必要な要素をもれなく盛り込みつつ、ハンドブックとしてのコンパクトさをさらに追求するという意欲的な目標をもとに製作されたものです。法務担当者のお役に立つべきことはもちろん、アプリ事業の現場では事業サイドの主体的な現場判断が求められることも多いことを念頭に、事業責任者・営業責任者や役員層の方々にとっても読みやすい内容とすることを心がけました。本書は初代ハンドブックと同様、アプリ事業を3つのフェーズに大別し、その段階ごとに押さえておくべき法務トピックを取り上げる構成をとっています。第1部(アプリ開発フェーズ)では、まず第1章「アプリ開発前に知っておくべき契約・権利保護の基礎」として、法律・契約の基礎をはじめとするアプリ法務の全体像に触れた上で、知的財産権の保護を取り上げています。著作権等を侵害する内容のアプリは当然ながらリリースできないことから、ある意味で最重要のトピックとしていち早く取り上げるものです。次に第2章「アプリ開発にあたり確認・締結が必要な文書とルール」では、アプリストア提供者が掲げるルール(デベロッパー向け規約)も同じく前提として極めて重要となるため、その基本的な成り立ちや内容を解説したうえで、巨大なプラットフォーマーであるアプリストア提供者にまつわる法規制等のトピックにも触れます。第2部(アプリ提供フェーズ)では、まず、第3章「アプリ利用規約」および第4章「アプリプライバシーポリシー」において、ユーザーとの関係性を規律する上で重要な各ドキュメントについて、実例を交えながら詳細に解説します。続いて、課金を伴うアプリに関して重要な法規制として、第5章「特定商取引法」および第6章「資金決済法」を特に取り上げ、規制の概略を整理しつつ、いわゆる「特定商取引法に基づく表示」や「資金決済法に基づく表示」についても説明します。第3部(アプリ運用フェーズ)では、まず、第7章「アプリ提供者に課されるユーザー保護規制」として、未成年者や消費者の保護を目的として設けられている様々な法規制を中心に、個別的なトピックを取り上げます。次に、まえがき

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