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判例番号3第1章 男女関係における過失相殺の事例分析被告過失原告過失相殺前損害額(万円)相殺後損害額(万円)既払額(万円)特記・立場300300X08被告過失原告過失 X1は,生活に困窮しYから,金員を借り受け,その返済を迫られていたところ,YはX1に対し,右債務の履行及び美容院の経営者の地位を利用して,X1に対し情交関係を求め,更に右情交関係の反復とわいせつ行為の反復を求めたものと解され,右はXらに対する不法行為を構成するものと解される。 Xらは,当時もまたその後も生活に困窮し,電話代の納期における支払をしばしば怠り,通話停止をされることがあった事実等も認められ,また前掲のとおり,X1はYから強いて情交関係を持たされながら,その後も金員の交付を受け,Yの経営する美容院に勤務するとの行動をしている事実も認められ,他方Xらが本訴提起まで警察等に相談に行った事実は本件全証拠によってもこれを認めるに足りないものであるが,そうであるからといって,直ちにX1が自発的に情交関係を承諾したものと推認することはできない。 もっとも確かに,情交関係等はY単独ではできず,X1の「同意」がなければ成立しないものであるが,前記のとおりX1が自発的に情交関係を承諾したものではないのであり,単にYとの間に情交関係等があったからといって,当然にXらに過失を認めることはできない。判決年月日事件番号権利者過失(割)0.0神戸地判平9.1.29平6タ5・平6タ50認容額(万円)300 XとY1は,昭和50年10月に婚姻届をし,昭和54年4月から日本で生活するようになり,Y1はCC大学に英語の専任講師として勤めるようになった。Y1は,昭和55年2月ころから,博士論文作成のために,大学の研究室に外泊して帰宅せず,定期的に朝帰宅するというようになったが,その後Y2と性的な関係をもつようになり,Xに対する愛情も冷めてXを避け,ただ長女に会うのを目的に定期的に帰宅するというようになった。 その後も,Y1は,殆ど帰宅せず,Y2と同棲状態の関係を続け,Y2との間に子も出生するなどしたことが原因で,XとY1との婚姻が破綻したのであるから,Y2との性的関係をもってこれを継続したY1に婚姻破綻の原因があったものと認めるのが相当である。 Y2は,平成4年5月13日,Y1と婚姻届をしてY1の重婚状態を作り出したものであり,右行為もY1の妻たるXの権利を侵害するものであるところ,Y2は,右婚姻届当時,Y1がXと夫婦の関係にあることを知っていたのであるから,右Y2の行為はY1との共同不法行為を構成する。 Y1は,昭和50年10月本件婚姻届受理完了時,昭和56年8月XにおいてY1がY2とイギリスで落ち合った事実を知った当時あるいは昭和59年5月Y1がY2との間の子の出生をXに告げた当時に,もしXがY1に対し本件婚姻届が受理され,両名が日本戸籍上の夫婦である旨告知していたならば,X・Y1間で本件婚姻届書の真否を巡って結論が出ていたであろうし,少なくともその後の同Y1の行動を慎重ならしめ,同Y1のY2との同棲やY2との間の子の出生ということも生じなかったであろうから,Xが,Y1に対して本件婚姻届のなされたことを告知しなかったことを過失相殺の事情として考慮すべきである旨主張する。しかし,Y1が本件婚姻届書を作成し,その届出のなされたことを知っていたと認められることは前述のとおりであるから,右Y1の主張は理由がない。の夫であるX2が,Yに対し,不法行為に基づき,精神的苦痛に対する慰謝料等を求めて損害賠償請求をした事例事案概要二重国籍の夫Y1がY2と不貞行為に及び,妻Xと婚姻した際の国籍とは別の国籍でY2との婚姻届出をし,重婚状態にした事案において,XがY1及びY2に対し,不法行為に基づき,損害賠償(慰謝料)請求した事例

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