8 第1章 遺言の履行が困難となる場合の代表的な事例1 認知症の増加と遺言無効主張 遺言は、多かれ少なかれ、法定相続分を変更する内容を含むので、法定相続分より少ない配分しか得られない相続人資格者は、遺言無効主張をする可能性が高くなります。 そこで、まずは遺言の形式的要件について不備を主張し、あるいは偽造の主張を展開し、それとともに、認知症診断を受けていたことを理由に遺言無効を主張するわけです。 平成12年の介護保険制度及び成年後見制度の施行以降、認知症に関する知設問3 設問3 回答3 遺言の実質的要件としての遺言能力の欠缺けつを主張する場合 遺言の実質的要件としての遺言能力の欠 遺言の実質的要件としての遺言能力の欠 遺言の実質的要件としての遺言能力の欠 遺言能力=意思能力の有無に関する客観的証拠資料(カルテ・要介護認定調査・介護日誌・サービス提供記録など)を収集して、個別具体的に判断します。設問4 設問4 回答4 遺言執行者が遺言を無効と判断した時の対応 遺言執行者が遺言を無効と判断した時の対応 遺言執行者が遺言を無効と判断した時の対応 遺言執行者が遺言を無効と判断した時の対応 遺言執行者として、自ら客観的証拠資料を収集し、かつ、無効主張者の主張内容及び根拠資料を検討して、無効と判断したときは、受遺者あるいは受益の相続人を被告として遺言無効確認訴訟を提起すべきでしょう(⇒大審院時代の判例あり。後記4参照)。設問5 設問5 回答5 遺言執行者が遺言を有効と判断した時の対応 遺言執行者が遺言を有効と判断した時の対応 遺言執行者が遺言を有効と判断した時の対応 遺言執行者が遺言を有効と判断した時の対応 遺言執行者が遺言を有効と判断した時は、期間を定めて遺言無効確認訴訟の提起を促し、指定期間内に遺言無効確認訴訟が提起されない場合には、遺言執行を完了します。状況も調査した上、遺言の内容も検討します。 ただし、筆跡鑑定については、必ずしも有益とは言いづらいところです。
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