事案から学ぶ 履行困難な遺言執行の実務
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設問1 設問1  長女と次女として、長男が遺言書を破棄したという前提で法 長女と次女として、長男が遺言書を破棄したという前提で法 長女と次女として、長男が遺言書を破棄したという前提で法 長女と次女として、長男が遺言書を破棄したという前提で法的措置を講じる場合、誰が誰宛てにどのような裁判を起こすべきでしょうか。 長女や次女が、長男を被告として、長男が相続人の地位を有しないことの確認を求める裁判を提起することとなります。回答1 設問2 設問2 回答2  次女は遺言書を隠しましたが、これは隠匿となりますか。 次女は遺言書を隠しましたが、これは隠匿となりますか。 次女は遺言書を隠しましたが、これは隠匿となりますか。 次女は遺言書を隠しましたが、これは隠匿となりますか。 本件においては、一時的に保管しただけであり、また長女も【事案25】 遺言者による遺言書又は遺贈の目的物の破棄──民法1024条 169 私の父は弁護士に依頼して遺言書の原案を作成してもらい、それを転記するという形で自筆証書遺言を作成した。父は遺言書を作成した後に弁護士に見てもらい、長女の私と次女も内容を確認し、問題はないとのことで、封印して父が机の引き出しに保管した。 しかし、その後、父と同居している長男(父と不仲)が遺言のことを知ったようであり、長女の私と次女に対して「お前らが知恵を付けたのか。遺言書なんか作成させやがって」と悪態をついていた。次女は長男が遺言書を破り捨てるのではないかと考えて、父宅を訪問した際に、引き出しから遺言書を出して戸棚の奥に隠し、そのことを長女である私にも報告した。 次女が遺言書を戸棚の奥に隠した日以降、長女の私と次女は父宅には一切入っていない。父宅は、父と長男の二人暮らしである。 その後父が死亡し、次女が自筆証書遺言を出してくると言ったところ、「ない」と騒ぎ出し、長男に対して「どこにやったのか」と詰め寄ったが、長男は「机の中に入っていたのは知っているが、その後は知らない」と言い出した。 状況的には長男が遺言書を破棄したものと思われる。【事案25】 遺言者による遺言書又は遺贈の目的物の破棄──民法1024条

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