1 設問1について 長男が遺言書を破棄・隠匿したのであれば、それは相続欠格事由となります(民法891条5号)。長女や次女とすれば、長男には相続欠格事由があるとして、長男を被告として、長男が相続人の地位を有しないことの確認を求める裁判を提起するという手段があります。 ただし、共同相続人が、他の共同相続人に対し、その者が被相続人の相続財産について相続人の地位を有しないことの確認を求める訴えは、固有必要性共同訴訟であり、共同相続人全員が当事者となっていないと訴訟が却下されることに注意が必要です(最三小判平成16年7月6日判タ1172号143頁)。 本件においては、長女と次女が長男を被告として、長男が亡き父親の遺産について相続人の地位を有しないことの確認を求める裁判を提起すべきこととなります。次女から戸棚の奥に隠したという話を聞いているわけですから、次女には、他の相続人らに対してその発見を妨げる意思がありません。よって、民法891条5号の隠匿には該当しません。設問3 設問3 長男が遺言書を破棄したという直接的な証拠は何もありませ 長男が遺言書を破棄したという直接的な証拠は何もありませ 長男が遺言書を破棄したという直接的な証拠は何もありませ 長男が遺言書を破棄したという直接的な証拠は何もありませんが、裁判において、長男が遺言書を破棄したという長女や次女の主張が認められる可能性はありますか。 他に破棄・隠匿した者がいないという周辺証拠から、長男が遺言書を破棄・隠匿したと認定される可能性はあります。回答3 設問4 設問4 遺言書が現存しなくても、存在したことやその内容を証明で 遺言書が現存しなくても、存在したことやその内容を証明で 遺言書が現存しなくても、存在したことやその内容を証明で 遺言書が現存しなくても、存在したことやその内容を証明できれば、遺言書の内容を実現できるのでしょうか。 本件の場合は、弁護士の作成した遺言書の原案が存在し、亡き父親がそのとおりに遺言書を作成するところに長女や次女が立ち会って、内容や形式を確認した上で封印しているので、遺言書の効力が認められる余地はあります。回答4 170 第3章 民法における事情変更への対処のための規定(執行を困難又は不能にする規定)
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