事案から学ぶ 履行困難な遺言執行の実務
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1 割合的包括相続させる遺言の法的性質  本事例のような遺言については、「割合的包括相続させる旨の遺言」あるいは「割合的包括相続させる遺言」と称されますが、このような遺言の法的性質については、いくつかの考え方があります。相続分の指定、遺産分割方法の指定(あるいは相続分の指定を伴う遺産分割方法の指定)、割合的包括遺贈などが考えられます。持分移転登記申請をできます。設問4 設問4  遺言に基づいて相続税申告をしたものの、修正申告が認めら 遺言に基づいて相続税申告をしたものの、修正申告が認めら 遺言に基づいて相続税申告をしたものの、修正申告が認めら 遺言に基づいて相続税申告をしたものの、修正申告が認められますか。遺言に基づく相続登記が先行している場合と被相続人名義のままの状態とで、違いがありますか。 被相続人名義のままの場合であっても一旦遺言に基づいて共同相続登記をした場合であっても、いずれも未分割状態での相続税申告にほかならないので、後日遺産分割協議書を添付して、修正申告をすることができます。回答4 設問5 設問5  遺言無効確認訴訟が提起されましたが、その訴訟において和 遺言無効確認訴訟が提起されましたが、その訴訟において和 遺言無効確認訴訟が提起されましたが、その訴訟において和 遺言無効確認訴訟が提起されましたが、その訴訟において和解を成立させるために検討すべき事項として、どのようなことを考えればよいでしょうか。 遺言無効確認訴訟において和解をする場合、遺言が有効か無効かを明示するとともに、通常の遺産分割協議書と同様な「取得する」という文言を用いるだけでは足りず、別途不動産登記申請用の遺産分割協議書を作成することを検討すべきです。 配慮しなければならない事項としては、不動産譲渡税の課税対象とならないか、贈与認定されないか、未分割状態で法定相続分による共同相続登記を経由した場合と相続分指定の遺言に基づいて指定相続分による共同相続登記を経由した場合と同じ扱いをすべきである根拠を示す必要がある、ということです。回答5 【事案32】 割合的包括相続させる旨の遺言の実現方法 251

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