フロ相_試し読み
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第1遺言書の種類と記載内容を確認しよう~公正証書遺言と自筆証書遺言~第165第1 遺言書の種類と記載内容を確認しよう~公正証書遺言と自筆証書遺言~   はじめに代表的な遺言の方式である,公正証書遺言と自筆証書遺言について説明1します。手続を行うことになります(検認手続については,9頁を参照してください。)。 遺言書がある場合には,最初に遺言書の内容を確認して,「遺言執行者」が定められているかどうかを確認しましょう。 遺言執行者は,相続人に代わって,遺言の内容を実現するための手続を行う者です。相続登記もその一つです。遺言執行者がいる場合には,相続登記は遺言執行者が単独で行うことができます。 以下では遺言執行者の記載がない場合について解説します。   遺言といっても,その記載された内容によって,大きく二つの種類に分かれます。2具体的には,遺言書で,遺産である特定の不動産を相続人の誰かに「相続させる」と記載されている場合と,「遺贈する」と記載されている場合です。「相続させる」と記載された遺言は,特定財産承継遺言といいます。 どちらの記載かによって,登記申請書の記載方法などが異なってきます。公正証書遺言は,公証役場で公証人と証人二名の立会いのもとで作成される方式の遺言書です。この方式による場合,相続開始後に「検認」と呼ばれる家庭裁判所での手続は必要なく,遺言公正証書の正本または謄本を使って,登記手続を行うことができます。 自筆証書遺言は,遺言者が全文を自筆で書いた上で,作成年月日を書き,これに署名,押印する必要があります。ただし,平成31年1月13日以降に作成された自筆証書遺言については,不動産をはじめとした遺産の目録部分については,署名と押印があれば自筆でなくてもよくなりました。自筆証書遺言の場合は,相続開始後,家庭裁判所での「検認」手続を行った後に登記公正証書遺言と自筆証書遺言遺言の文言の確認~「相続させる」と「遺贈する」の区別~第3章遺言がある場合の相続登記手続遺言がある場合の相続登記手続

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