若特
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 (前進させるべき)ビジネスを前進させるのがビジネスパーソンです。解 説 (インハウスを含む)法務パーソンがビジネスパーソンである,ということの含意の主なものは,法務パーソンとして(前進させるべき)ビジネスを前に進めることに貢献すべきだ,ということです。 ここで,ビジネスを前に進める,というのは,例えば新しい取引をしたいという相談がビジネスサイドから来た時に,その取引を,できるだけビジネスサイドの期待する本質的な部分を残しながら,適法に実現するための方法を考える,ということです。 このような機能は,「パートナー機能」と言われることがありますが,そのような呼称が付されるようになる前から,ビジネスの信頼を法務部門が得る上で,ビジネス(多くの場合には,営業部門,製造部門,開発部門,調達部門等ですが,法務以外の管理部門と協力することもあります(→Q59参照)。本書において部門・部署を指して「ビジネス」という場合には,特に管理部門を除外する趣旨の場合を除き,法務以外の管理部門も含みます。ただし,2-5で法務内のコミュニケーションを扱っており,法務はビジネスには入れません)に寄り添う,つまり同じ会社の一員として,ビジネスと同じ方向に向かって前に進めようと一緒に協力することは必須です。 事業部門が早期に法務に相談し,法務は知恵を絞って関係する法律問題を考え,一緒に手を携えてプロジェクトを進めていくのが理想的な姿です。 なお,「ガーディアン機能」についてはQ37をご参照ください。48 キーワード  【ビジネスパーソン】【パートナー機能】社員,特に,新卒採用で総合職として入社し,その後法務への配属を命じられた人にとっては,当たり前のことです。「ビジネスパーソン」が「今は」法務を担当しているのです。 しかし,弁護士有資格者であったり,法務の転職を繰り返したり,法務経歴が長くなるとこの基本がおろそかになることもあるようです。なお,以下述べるとおり,法務への職務限定を合意していない総合職であれば,一時的に法務にいても,その後法務以外に配転される可能性がありますし(→Q184),弁護士有資格者であっても,監査部門等法務以外に配属されることはあります(→Q175)。第2編 法務パーソン編36 ビジネスパーソンだというのは何をする人だということですか?

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