若特
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193 キーワード  【非弁】 「うまい話」に乗らず,また,「一社依存」を避けることが重要です。解 説1 うまい話があるわけがないこと 現在の非弁は,「非弁提携しましょう」というような露骨な分かりやすいものではなく,むしろ通常のビジネスの顔をして近づきます。具体的には以下のようなものがあります。●コンサルティングをします●広告を出してPRします●(広告で事件が来たら,その対応をするのに必要な)事務員等を派遣します その中で,通常のビジネスと非弁提携を分ける分水嶺は何か,というのが問題ですが,通常のビジネスで「うまい話」はあり得ないことから,「うまい話」を強調する場合,非弁提携ではないかと疑い眉に唾をつけて話を聞く姿勢が重要と思われます。2 事件の紹介を受ける場合 事件を紹介してくれる人がいます。ありがたいと思っていたところ,「引き受けてくださってありがとうございました。本人も喜んでいます。私の顔が立ったので,お礼にご馳走します」。夜の付き合いが始まり,そのうち「これからもたくさん紹介できるので,今後は業務提携手数料ということで,私の方にも利益を落としてください。共存共栄でやっていきましょう」などと言われるといった状況があり得ます。もし非弁業者に対価を「支払う」関係になれば,弁護士法72条違反になります。日弁連「転ばぬ先の杖~弁護士のスタートを切った皆さんへ~」 https://member.nichibenren.or.jp/publication/hokoku/documentFile/bengoshi_start_171101.pdf では「払うな,使うな,任せるな」という標語にまとめていますが,紹介料など何らかの対価を払うこと,非弁業者が提供する事務職員など人を使うこと,更に事務処理や預かり金などお金の処理を任せてしまうことなど,非弁にどっぷり漬かってしまうと,もう逃れられません。 もし最初気付かないことがあったとしても,少しでも気付くことが発生したらその時点で直ちに,信頼できる弁護士に相談するようにしてくださ156 非弁提携は怖いと聞きましたが,どのように回避すればよいでしょうか?

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