控訴
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第2章1 控訴(附帯控訴)の検討1 控訴5⑴ 第一審判決前の予想 それでは、控訴の提起からスタートしましょう。 控訴はまず第一審判決の言渡しが一つの起点となります。すなわち、第一審判決を受け、控訴代理人として、控訴をするかどうかについての検討をするところから活動が始まります。 控訴をするかどうかの最終決定は当事者本人が下すことですが、最終決定に先立ち、訴訟代理人としての意見を求められることがあります。あるいは、第一審判決前に、敗訴(一部敗訴)の場合には控訴をするかどうかをあらかじめ相談して、結論を出している場合もあるかもしれません。第一審口頭弁論終結直前あるいは終結後の和解勧告の中で、第一審裁判所から心証の開示を受けるなどして、第一審判決の内容が相当程度に予測可能な場合も多いかと思います。弁護士A 弁論終結後の和解の席上で裁判官から敗訴の心証を告げられ、納得できずに判決言渡期日を迎える場合に、判決の結論はもう事実上分かっているので、どうせなら言渡し前に控訴をしたらどうかと思います1 控訴(附帯控訴)の検討本章の本章のPOINTPOINT この章では、控訴提起を検討するに当たり、どのような点が重要であるのか、当事者との対応をどのようにするのか、そして、控訴のスタートを切る控訴状の作成及び提出に当たり、何が不可欠であるかをできるだけ具体的に説明します。控訴(附帯控訴)の提起

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