9審理中の変動が反映されなかったために生じる場合があります。)、対象となる物件の記載の誤記などは、速やかに正しておくことが望まれます。これらについては、第一審裁判所(訴訟記録(改正法では「電磁的訴訟記録」(改正法91条の2第1項)といいます。以下同じ。)が控訴審に送られた後は控訴裁判所)に更正決定の申立てをし、あるいは裁判所の職権発動を促して、更正決定により判決の訂正をすることになります(法257条)。 他方、判決書において誤記の類ではなく、併合された請求権の一部の判断がすっぽり抜けてしまい、その当否についての判断が示されていない場合もあります。この場合には、裁判の脱漏ということになり、その請求権に関する事件は第一審判決の対象となっていないため、なお第一審裁判所に係属中ということになるので、控訴の対象とはなりません。こうした場合には、その請求権に関する部分について改めて第一審裁判所の追加判決を得ることになります(法258条)。⑷ 当事者への説明について こうした検討を経て、第一審判決をどのように理解するかということを当事者本人に説明をする必要がある場合が少なくないと思います。 判決書は他の文書形式とは異なる書式に従って作成された合目的的文書ですので、民事訴訟法に関する知識と経験のない人にその内容と趣旨を的確に理解してもらうためには、やはり法律家の注釈的説明のアドバイスが必要になると思います。単に当方の主張が認められて正当であるとか、認められていないので不当であるなどといった皮相的な説明ではなく、その主張が認められたのはこの証拠による認定であって正当であるとか、この証拠を十分に評価していないためにこうした認定判断に至っていて不当であるとか、認定判断は結果として正当だが主張や証拠の評価が十分とはいえない(結果オーライ)、あるいは、法令解釈の誤りがあるとか、判例違反があるなどという訴訟代理人としての評価や意見を伝えた上で、控訴審への展望を語るべきものでしょう。こうした将来の展望は、後の上告審を見据えた予告的な意味を持つ場合もあります。 場合によっては、第一審判決の認定判断は、それ自体としてはやむを得な1 控訴(附帯控訴)の検討
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