14_支保
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も3第1担当世帯数からみるケースワーカーの業務量第1 ケースワーカーには業務量の多さと,生活保護ケースワークをめぐる問題があります。 前者については,社会福祉法では所員の定数の標準数としてケースワーカー一人当たりの担当世帯を市部福祉事務所では80世帯,都道府県福祉事務所では65世帯とされています(同法16条)が,被保護者1)の増加もあり担当世帯数がこれを大きく超えている場合もあります。ケースワーカーの担当世帯数が多いということは,ケースワークの対象者が多いだけでなく,事務処理などの業務量も増加するということになります。 この問題は生活保護制度ができたときから生じていました。1950年に生活保護法が施行され,1951年の社会福祉事業法(現・社会福祉法)制定により福祉事務所が設置された直後の1953年に,厚生省社会局庶務課編『福祉事務所運営指針』が発行されています。この本のまえがきでは庶務課長熊崎正夫が「解決を要する第一は,福祉事務所の職員の質と量の充実である。」「必ずしも全国的に満足すべき状態になっていない。若しこれを地方公共団体の理事者側の社会福祉事業の認識の低位に期せしめる言葉が聞かれるとするならば,福祉国家の建設を目標とする我国の前途にとつて悲しむべき現象といわざるを得ない」2)と述べており,福祉事務所発足当初よりケースワーカーの配置は十分に行われていなかったようです。しかし,その原因は地方自治体側だけの問題ではありませんでした。保護課長の経験者である黒木利克によると,当時公務員の削減を行っている中で行政管理庁長官が厚生大臣を兼任していたことから厚生大臣が公務員(ケースワーカー)の数が増えることに反対しており,また保守系の団体や一部の民生委員,全国知事会も福祉事務第1 担当世帯数からみるケースワーカーの業務量1) 法6条では,「被保護者」とは,「現に保護を受けている者」をいい,「要保護者」とは,「現に保護を受けているといないとにかかわらず,保護を必要とする状態にある者をいう」とされており,本書でもこの区分する。2) 厚生省社会局庶務課編『福祉事務所運営指針』(全国社会福祉協議会連合会,1953)1~2頁

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