14_支保
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6 アルコール依存症が疑われる人への支援の難しさ 7 住環境の改善・介護サービスの利用による本人の変化とその後 一方で,要介護認定取得後,Aさんは介護サービスの利用を開始し,介護ヘルパーによる清掃援助が入ったことから不衛生な住環境は一定程度解決しました。 介護サービス利用前はかたくなにその利用を拒否していたAさんですが,ホームヘルプが入るようになると,「生活は何も変わりはない」と話す一方で「助かっている」とも話すようになり,表情に温和さが見て取れるように第3章 「支援困難」者への支援事例とケースワーカーの悩み84を依頼しました。「忙しくて様子を見にいく時間はない」と話していた弟に何とか協力を依頼し,Aさんへの声掛け・助言を重ねてもらいましたが,状況は変わることはありませんでした。また,久しぶりに再会したという弟はAさんの変わりようにとても驚き,「昔の兄はとても几帳面で家を汚すような人ではなかった」「お酒は一滴も飲めない人だったのに発泡酒を買い込んでいて驚いた」と話していました。 また,入院中に音信が途絶えていたAさんの娘へも協力を依頼しましたが,「自分も忙しくて面倒は見られない」「退院後に,時折様子見には行く」との返答があるだけでした。ケースワーカーからの連絡に対し,娘は入院費用などの金銭的援助を依頼されるものと当初は誤解していましたが,可能な範囲での精神的支援,Aさんへの見守りや声掛けをお願いしたいと,ケースワーカーは説明・依頼を重ねました。 さらにケースワーカーは,職場で先輩ケースワーカーや査察指導員へアルコール問題を認めないAさんへの介入・アプローチを相談しましたが,「本人にアルコール依存症治療の意思がなければどうしようもない」「発泡酒程度では依存症ではない」などと言われ,アルコール問題への支援についても具体的な助言をもらうことはできませんでした。~福祉事務所内の協働関係

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