おわりに2131) 小山進次郎「改訂増補 生活保護法の解釈と運用』(中央社会福祉協議会,1951)772頁2) 小山進次郎「改訂増補 生活保護法の解釈と運用』(中央社会福祉協議会,1951)774頁 本書では生活保護の「支援困難」事例を通して,生活保護行政の状況から生活保護ケースワーク,ケースワーカーの役割について検討してきました。 ケースワーカーのオーバーワークについては,その大きな原因である担当世帯数の多さについてみてきましたが,この問題は福祉事務所やケースワーカーを設置した当初から生じていた問題でした。直接の原因には国の財政問題,公務員の人員削減等がありましたが,その背景には当時の政治家や官僚たちに,ケースワーカーが行う生活保護業務に対する理解の浅さがあったように思われます。 生活保護に要する費用負担を国とするのか地方自治体とするのかは重要な問題です。このことについて,法立案者はその費用は原則として国が全額を負担するということになるが,都道府県,市町村も住民の保護に当然責任を負うという考えによりそれぞれの分担をすることになったと説明をします。しかし「さらに」として,生活保護を地方公共団体の長に当たらせる現状の下では,「この事務処理の適否が地方公共団体の財政に影響を及ぼすようにしておく方がその取扱いを慎重ならしめ,濫給が自ら抑制される点において効果的であるという利点」とも述べています。1)つまり地方自治体に財政負担を課すことで,保護が抑制されることを狙っていたということです。2) このような実際に保護を実施する現場に負担をかけ,被保護人員を抑制させるという考え方を見ると,ケースワーカーの人員問題についてもケースワーカーに負担を課すことで,被保護世帯の増加を抑制する狙いもあったようにも思われます。結果として,現在生じているケースワーカーのオーバーおわりに
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