vはじめに 本書の構成は第1章にケースワーカーの現状について担当世帯数の問題,ケースワーカーの被保護者観とケースワーカーを取り巻く環境などを概観し,第2章では生活保護法制定以降の生活保護行政を背景としたケースワーカーと被保護者の関係を検討しています。ここでは,生活保護行政の動向によりケースワーカーの被保護者に対する姿勢が変わらざるを得なくなることが分かります。 この二つの章を受け,第3章ではケースワーカーの支援と支援に当たっての課題,悩みについての事例報告が9件あります。そこでは,被保護者の課題は様々ありますがケースワーカーが支援に当たり共通の問題があることが分かるのではないでしょうか。 最後の第4章では,生活保護行政では重要な要素である生活保護ケースワークとケースワーカーの役割について検討を行っています。 本書の大部分は書下ろしですが,これまでの筆者の考えを踏まえているため既発表論文や研修,各種研究会等での報告を基にして書き直したものがあります。 本書はJSPS科研費JP20K02302,JP19H01420,JP19K02166の助成を受けた研究成果の一部です。 2023年4月池谷秀登
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