第2 親子関係に関する基本的な規律34 民法は,親権者が意思能力のない子に代わって身分行為をすることができることを定めています。例えば,認知の訴え(民法787条),15歳未満の子の氏の変更(民法791条3項),15歳未満の子の縁組・離縁・縁組の取消し(改正民法797条,民法815条,民法804条),相続の承認・放棄(民法917条)等です。⑵ 財産管理権ア 財産管理権と代理権(民法824条) 民法824条本文は,「親権を行う者は,子の財産を管理し,かつ,その財産に関する法律行為についてその子を代表する。」と規定し,親権者の子の財産の管理権と代理権を規定しています。 なお,同条ただし書は,子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には,本人の同意を要することを規定しています。 また,父母の一方が共同の名義でした法律行為は,他の一方の意思に反したとしても,相手方が悪意でない限り,有効となります(民法825条)。 なお,銀行等の金融機関における子名義の預金口座の開設や証券会社における子名義のNISA口座の開設も財産管理行為に当たると考えられます。イ 利益相反行為における特別代理人の選任の請求(民法826条) 民法826条1項は,「親権を行う父又は母とその子との利益が相反する行為については,親権を行う者は,その子のために特別代理人を選任することを家庭裁判所に請求しなければならない。」と規定し,親権者と子の利益相反行為については,親権者が家庭裁判所に特別代理人の選任を請求しなければならないことを定めています。 なお,同条2項は,親権者が数人の子に対して親権を行う場合において,その一人と他の子との利益が相反する場合においても,その一方のために特別代理人の選任の請求をしなければならないことを規定しています。
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