第1章 遺産の調査 3実用新案被相続人の名前で検索する。所得税確定申告書で印税収入を確認通帳で出版社等からの入金で確認著作権ウェブウォレット(インターネット上の仮想通貨の取引所(仮想通貨交換業者))で管理されている場合、相続人が取引所に連絡する。方法は、各取引所で異なる。それ以外は、端末のパスワードとウォレットのパスワードを解除するしかない。(例)DMM Bitcoinhttps://bitcoin.dmm.com/support/inheritance_proceedings暗号資産相手方が遺産を隠していても、相手方の相続税申告書が入手できれば遺産が容易に判明する。相手方が相続税申告書の開示に応じてくれればよいが、相手方が開示を拒否した場合は、文書提出命令ができず、打つ手がない。高決相続税申告書及びその添付書類が「公にされることにより、申告者との信頼関係が損なわれ、申告納税方式による税の徴収という公務の公正かつ円滑な運営に支障を来すこととなるということができるから、本件文書は、民事訴訟法220条4号ロにいう「公務員の職務上の秘密に関する文書」に該当する。」(福岡高宮崎支決平成28・5・26家法9・81)以下のとおり認めた裁判例もあるが、特異な判断である。家裁実務では「できない」という扱いをしている。家決「相続税の申告書を家庭裁判所に提出するよう命じたとしても、申告内容がたやすく公開されることはないという納税者の税務当局に対する信頼が失われ、納税者が真実を開示することが困難になり、その結果、公共の利益が害され、又は公務の遂行に重大な支障を生ずる具体的なおそれがあるとまで認めることはできない」(鹿児島家決平成27・11・19家法9・84)2 文書提出命令による相続税申告書の開示
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