在施
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はしがき i私は,介護支援専門員の資格を有し,訪問介護・通所介護の相談員,特別養護老人ホーム等のサービスを提供する高齢者福祉施設副施設長の経験があり,弁護士登録後は,成年後見人等に就任し,本人の在宅生活支援,ほぼ全ての施設類型の入居やその後の支援を行ってきました。これらの経験から,「賢い施設の選び方」などのテーマで,市,地域包括支援センター,介護支援専門員協会だけでなく,成年後見センター・リーガルサポート・公認会計士・税理士・弁護士の各団体,さらに,放送大学などから,幅広く依頼があり講演を行ってきました。講演では時間が短くすべてを語りつくすことができませんので,私の方針の一つである,本人が望むのであれば最期まで在宅生活を支援することも含めて,書籍にまとめたいと思うように至り,今回,日本加除出版から,『介護現場における虐待・事故の予防と対応,苦情・ハラスメント対応』に続いて,本書を世に出すことになりました。自宅か施設かの選択,選択後の在宅生活や施設での生活に対する支援内容について,専門職が,本人の意思に基づきどのように支援するかで,成年後見人等就任後の本人の人生が大きく変わってしまいますので,責任重大です。他方,私は,成年後見人等の職務は,本人の人生に継続的に関わっていく中で,自らの支援によって,本人が最期まで自分らしく生活できるような環境を整備していくことを通して,本人から,あなたに会えて良かったと感謝され,専門職も自分らしく生活するためのエネルギーや居場所を得られる点で(生きるエネルギーの循環),素晴らしいと思っています。本書では,より良い支援を行うための留意点をまとめました。本書の特徴は,本人が自宅または施設で,安心して最期まで自分らしく生活できるように支援していくための留意点について,詳細に一通り説明している点です。本書は,「第1章 介護保険制度について」「第2章 自宅か施設かの選択」「第3章 居宅サービスの利用」「第4章 各施設の特徴を理解する」「第5章 施設入居の具体例」から構成されており,読者の皆さまが,本人を支援するにあたって,自宅か施設かの選択で悩んでいる場合は第2章を,在宅生活を支援することに決めた場合は第3章を,施設入居に決めた場はしがき

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