在施
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16 第1章 介護保険制度について3)介護保険最新情報Vol.1003・令和3年8月16日付け老老発0816第1号厚生労働省老健局老人保健課長通知。厚生労働省のホームページやWAMNETから無料でダウンロード可能。4)インターネットでキーワード検索すれば無料でダウンロードできる。ここで,①介護保険審査会に対する審査請求と,②市町村に対する再度の申請の手続の違いについて確認する。両者の違いは,改めて判断された要介護認定の結果が適用される日が異なる点にある。例えば,5月1日に更新の申請をし,5月21日に原処分の結果が届き,6月1日に審査請求の申立てをし,並行して同日に要介護状態区分変更の申請(認定を受けている期間内に申請する場合に選択する。)をしたとする。そこで,Tとしては,Aさんの不利益を救済するために,①審査請求を検討することになろう。Tは,準備として,認定調査票,かかりつけ医の意見書の書面を入手する必要がある。これらの書面は本人に送付されないので,市町村に対して個人情報の開示請求を行うことになる。ほかに,「要介護認定における『認定調査票記入の手引き』,『主治医意見書記入の手引き』及び『特定疾病にかかる診断基準』について3)」(以下「認定手引き」という。),要介護の一次判定シミュレーションソフト4)も参考にすべきであろう。なお,認定調査票やかかりつけ医の意見書は,ほかに,介護事故や遺言能① 審査請求をした場合7月1日に原処分が取り消される旨の認容裁決が下り,例えば,取消理由に要介護2の認定を行った点に違法がある旨明記されていた場合には,その後,裁決の趣旨に従って,改めて要介護認定が行われるので,要介護4の認定が行われる可能性がある。ここでは7月15日に要介護4が認定されたとする。この場合には,当初の申請日の5月1日に遡って要介護4に基づいて介護保険を利用できるので,11万2330円を自費で支払う必要はなく,1割負担の1万1233円となる。② 市町村に対して要介護状態区分変更の申請をした場合申請の結果,7月1日に要介護4の認定が行われた場合には,遡れるのは6月1日にとどまるので,5月分の11万2330円を自費で支払うことになる。

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