在施
49/60

第277第2具体的な事例についてTは,在宅生活を送っていた男性Bさん(75歳,要介護1,単身。妻とは死別し,子はいない。軽度の認知症)の補助人に就任した。Bさんは,週1回訪問介護を利用し,2階建ての自宅の2階にベッドを置いて寝ていた(1階にはベッドを置くスペースがないため。)。就任後間もなく,BさんからTに,次のような電話があった。「今日,甥のXが突如自宅に来て,『施設見学の予約をしたから今から一緒に施設見学に行く。』と言って,施設見学をさせられ,半ば強制的に施設入居の申込書にサインさせられた。明日,施設職員が甥と一緒に自宅に来て荷物の整理等をすることになった。『私は,結婚後,長年住み続けている自宅で死にたい。施設に入るつもりはない。助けてほしい。』とのことであった。なお,XはこれまでBさんに対して直接的に何の支援もしていない。緊急連絡先になっていたのみであった。このようなとき,Bさんの補助人Tは,どのように対応すべきか。専門職後見人等としては,本人の意思を尊重し,その意思を実現する上で,家族等を社会資源の一つとして活用する必要がある場合には,家族等の協力が得られるように対応する。しかし,家族等の協力を得ること(関わり)がかえって本人の意思実現の阻害要因となる場合には,家族によるPoint! 1 自宅か施設かの選択⑴ 家族が反対していたが,本人の意思を尊重して在宅生活を継続した例《scene2》具体的な事例について

元のページ  ../index.html#49

このブックを見る