在施
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78 第2章 自宅か施設かの選択〜本人が望むなら基本的には自宅での生活を支える〜本人との関わりを遮断することになろう。ただ,家族等から本人に関するこれまでの生活歴等に関する情報を得たり,希望を聴取することは必要である。もっとも,家族等の希望に対応する必要がないと判断した場合,対応しないこととその理由を,家族等に具体的に説明する必要がある。対応のポイントは,以下のとおりである。α 家族等に自己決定権の尊重や意思決定支援を理解してもらうβ 家族等に本人を支援してもらうために,家族等の不安感や負担を軽減するγ 家族等の協力を得ること(関わり)が本人の意思実現の阻害要因となる場合には,家族による本人との関わりを遮断するδ 家族等の希望について対応しない場合には,対応しない理由を具体的に説明するε 本人に意思表明してもらうア 専門職後見人等の職責の説明と本人からの意思表明翌日,TはBさんの自宅に行き,Bさん本人とX・施設職員とで話合いをした。まず,居所等の重大な決定の場面では,認知症高齢者に対する意思決定支援を行い,表明された本人の意思を実現することが,専門職後見人等の職責であることをX等に説明した。イ 家族等の不安感の聴き取りと対応その上で,TからXに施設入居を進めた理由を確認すると,「訪問介護事業所から1か月前に2階から1階へ階段を降りる際に階段から落ちて右足を捻挫したとの報告があり,Bに何かあったら心配なので安心できる施設に入るのがBのためと思い,手続をした。」との回答であった。Tが施設職員に,Bさんが施設入居を否定した場合でも施設入居を進めていくのか質問したところ,施設入居はキャンセルになるとの回答であった。TからBさんの希望を教えてほしいと伝えたところ,Bさんから,X等に対して,「施設入居をするつもりはない。最期まで自宅で生活したい。」旨の意思が表明された。

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