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別居後(別居中)妻/夫妻/夫別居前(同居中)妻/夫妻/夫図表1 法律相談を受けた場合の状況別一覧離婚したい離婚請求されているるとしても,①から③の要素を回復させてくれる可能性のある「同居」=夫婦の共同生活を外側から保障するもの(共同生活の外形)を解消し,いわば退路を断って婚姻関係の解消へと舵を切る行為なのです(婚姻には様々な「かたち」がありますが,以下典型的な婚姻を念頭においています。)。⑵ 別居と離婚の意思離婚の意思は,別居に踏み切る時点では相当強固なものとなっている場合が多く,別居期間が長くなればなるほど離婚の意思が強固になります。⑶ 別居による生活の激変別居により依頼者の生活は激変します。当事者の生活状況の変化,住居の状況,生活費の目処は立っているのか,子どもの状況,通学・通園はできているのかなどを聞き出し,支援者はいるのか,相手方との交渉の経緯,相手からのアプローチなどにより困っていないかなどを聞き取り,対応します。⑴ 「別居」=婚姻の「破綻」「婚姻」=夫婦になるということは,同居・協力・扶助の義務を負うということです(民752条)。同居義務は夫婦間の本質的義務であり,協力義務・扶助義務や貞操義務を包み込み,外部に対して夫婦関係の存在を表象しているといえます。その義務が尽くされていない以上,夫婦関係はもはや存在しないといわざるをえません。そこで,「別居」=婚姻の「破綻」としてとらえられます(大村敦志『家族法〔第3版〕』(有斐閣,2010)155頁)。2§1 離婚相談の入口小島妙子『Q&A 財産分与と離婚時年金分割の法律実務』(民事法研究会,2018)より2 「別居」の意義

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